よもやま話とあれやこれ

どうでもいい話がたくさんできたらいいなぁ〜、と思っています!

ケアンズ滞在日記2022

今年8月の1週間ほど、オーストラリアのケアンズへ旅行していた。今更ではあるけれど、せっかくなので滞在中の書き散らし日記と写真をここでまとめておく。

今回の旅行は、実はもともと「夏だし涼しいところへ行きたい」というくらいの思いだったのに、「赤道を跨げば冬だから涼しい!」という友人のトンチキ理論になぜか納得してしまい、海外渡航の実感を得られないまま、あれよあれよと渡豪することとなった。なお、私は英語の読み書きおしゃべりが苦手だ。そして、英語でのおしゃべりはその中でも輪をかけて苦手だ。そもそも日本語でのおしゃべりだって流暢にできる方ではないので、いわんや英語をやという感じである。そんな理由から、きっと死ぬまで英語圏の国へ行くことはないであろうと思っていたので、オーストラリア旅行に巻き込んでくれた友人には最大級の感謝を捧げたい。

 

8月13日

20時、成田発の空港でケアンズへ向かう。

渡航時間は7時間だが、格安航空のエコノミークラスで過ごす夜はなかなかにしんどい。硬いシート。これで?限界!?!?となるリクライニング。そして乾燥でやたら喉が乾く。寝れない。寝れるわけがない。あまりの喉の渇きに、こりゃ愛はできたらでいいから冷たい水最優先でほしいよねぇ…と朦朧としながらアゲハ蝶の歌詞に思いを馳せた。


8月14日

早朝4時、ケアンズ着。ケアンズは常夏だと聞いていたものの寒暖差はかなりある。朝はひどく冷え込んでいた。

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空港からタクシーを拾い、ケアンズの中央、セントラルステーションへ向かう。お腹が空いたのでまずは朝ごはんを食べられるところを探した。オーストラリアでは、歩行者用の横断信号は全て押しボタン式である。が、謎のボタンが2つありどちらを押せばいいかわからない。まごまごしていると通りすがりのランナーのおじさんが押しボタンのやり方を教えてくれる。「これを押したらしばらく経つと青になる。20秒のカウントダウンの間に渡ればいいんだ。キミたちと方向は一緒だから僕と一緒に渡ってみよう。オーケイ?」

そんな流れでカフェの前まで一緒に来てくれたおじさんも同じく旅行者で、ダーウィン(オーストラリアの左上らへん)からきたとのことだった。「長期のバカンスでオーストラリアを色々回ったけど、ケアンズが一番よかったよ!良い旅を!」

メニューボードの筆記体が読めず、とりあえず判読できたサンドウィッチを注文。美味しかった。

7時をすぎたので駅に直結しているショッピングモール内のスーパーへ。ショッピングモールはどことなくつくばの某ショッピングモールを想起する作りとなっており、海外まできてつくばを感じる自分の感性になんとも言えない気持ちになった。日本とケアンズの時差はわずか1時間であるものの、昨夜はほとんど眠れていないため、買い物した後、スーパー前のソファで友人ともどもうたた寝をした。

起きた1.2時間後にはモール内のお店も開店となっている。せっかくなのでお店の中を回り、そして旅行のために買ったばかりの帽子をなくした。日常で物をなくすことがあまりに多いため、私は無くしたものへの執着が異様に低いのだが、友人が諦めるには早すぎると説得してくれる。お店の店員さんにも尋ね、色々と回った結果、モール散策途中に小休憩したソファの人一人分のスペースに、ちんまりと帽子が座しているのを見つける。早朝ランナーといい、この国の人々は優しいな…!と確信するに至った。f:id:pompom1103:20221212212629j:image*1

宿に到着後は、部屋から一歩も出ず、お昼寝三昧。スーパーで買ったご飯などを食べて過ごした。


8月15日

ケアンズから列車で2時間半。山奥の自然豊かな観光地、キュランダに向かう。キュランダはケアンズ世界遺産のうちの一つである。

宿から駅までは徒歩5分。チケットは事前手配してあったのでスムーズに指定席へ。キュランダ観光鉄道はレトロな内観でテンションが上がる。列車からの景色は「世界の車窓から」に使われていたこともあるとかなんとか。片道2時間半、途中で滝を見るために途中停車などしながら、キュランダ到着。お昼を食べてからジャングル散策コースをいくつか歩く。景観がとにかく素晴らしく、野生の七面鳥にも会った。流れる川は大きく、しばし木陰でぼんやりしながら眺める。スケールの大きな自然はお腹が空くと思う。

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2時間半かけてまたケアンズに戻る。夕食は前日に予約していたステーキレストラン。これが素晴らしかった。

なんというか、これまで人生への穏やかな諦念と共に私は生きていたように思うけれど、それが一瞬で霧散した。ステーキを一口ほおばるとあまりの「美味」に爆笑したのだ。本当に美味しいものを食べると人って笑うんだ。生まれてきた意味ってこれじゃ〜〜ん!!!とガッツポーズまで出た。人生の意味、ここにあったよ。

前菜はガーリックトースト。ステーキと付け合わせのバターたっぷりマッシュポテト、ソースは濃厚なマッシュルームソース。友人と飲んだ赤ワインのボトル。デザートはクリームブリュレ。酔ってくだらないことを色々話す。あんなに楽しい夜はなかった。ほろ酔いで宿までふたり歩いて帰る。

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8月16日

この日はのんびり市内観光。観光地らしい観光地を歩くのも旅行の醍醐味ではあるけれど、気疲れもするため休む時間は重要だ。お手軽なオーストラリアっぽさを求めてコアラを見に動物園へ行くことにした。ケアンズワイルドライフドームは屋内型の動物園だ。日本とは違って動物の前に柵がないものも多いため、目の前でカラフルな鳥たちが賑やかに飛び回っているのを眺めることができた。なお、コアラ抱っこは日本円にして3000円。諦める。見て可愛かったので良し。

また、帰国のためのPCR検査も無事陰性となり、一安心であった。

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8月17日

ケアンズの二つ目の世界遺産グレートバリアリーフの中で、一番ケアンズに近い島がグリーン島だ。

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早朝からそれなりの波にゆさゆさと揉まれながらクルーザーで片道1時間、グリーン島へ。海の色はエメラルド。砂浜は真っ白。可愛らしい茶色の小鳥が島中を跳ね回っている。島は小さいため店は少なく、また、レストランも観光地価格であるため、売店でパンを買って昼食とすることにした。

ベンチに座り海を眺めながら優雅にパンをもぐもぐしていると、例の可愛らしい小鳥が友人のパンを思いっきり啄んでいた。長閑な昼食が一転、激しくバンバンと足踏みをし、鳥たちを威嚇しながらの殺伐としたランチタイムに変わる。小鳥を「あさまし鳥」と命名した。

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島をぐるりと一周散歩したのち、グラスボートツアーへ。ボートの底がガラスになっており、海の底の様子が楽しめるようになっている。名前も知らないカラフルなお魚、お魚、お魚、時々エイとウミガメ。滞在中に美味しいお魚も食べたいものだと思う。

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帰りもまたゆさゆさと波に揉まれて1時間。ザ・観光は楽しいけれどやはり疲れるなぁと思った。


8月18日

ケアンズ最後の市内観光。スーパーでお土産を大量に買い込みつつ、美術館とケアンズ歴史博物館に行く。

意外にも歴史博物館がかなり面白く、ケアンズの町がどのように発展してきたのかを知ることができた。国の歴史は広きにわたるため学ぶことに気後れすることもあるけど、町の歴史や発展は身近なものに感じられるからかとても興味深い。日本人移民のことにも触れられており「契約でお風呂に入れることを定めていたのに、お風呂のお湯がいつも温かいとは限らなかったため、ストライキも起きた」というところに強烈なジャパニーズを感じる。

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美術館は無料。企画展が「Face less」というもので、芸術鑑賞能力がほぼない私でもテーマの意図はなんとなく感じながら楽しむことができた。なんとなくポピーザぱフォーマーを思い出す。

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そして夕食は念願のお魚が美味しいお店。でっかいパエリア、採れたてお魚のムニエル、白ワイン。最高!

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8月19日

早朝にひとり帰路につく。友人はもう少し長く滞在するため、帰りは1人だ。当初は友人と一緒に帰る予定だったが、せっかくだからと旅行のひと月ほど前に友人は滞在の延長を決めたため、道中の英会話を丸投げする気満々だった私は真っ青になった。真剣に帰国の危機だ。そんな訳で、ここ数年全くがんばらなかった英語学習を死に物狂いでひと月と少し詰め込むハメになった。意外と毎日続けていれば効果は出るもので、拙いながらも会話らしきものが成立するようになったのは嬉しい。

なお、使用頻度の高かったフレーズはは"Please say it again?" "What should I do?"であるから、会話のクオリティについてはお察しいただきたい。

恐々としていたひとりの帰路ではあったけれど、空港までお願いしたタクシーの運ちゃんとは「京都は冬寒くて夏は暑い」「日本にはたくさんのお寺があります」といった教科書のような会話をし、空港ではきちんとコーヒーを注文できた(チャイラテを頼んだらなんかよくわからない味のコーヒーが出てきたがまぁよしとする)ので、上出来ではないだろうか。人間、追い込まれればそこそこなんとかなるものだ。達成感を抱きながら帰国した。

 

以上、これが私の非常に充実したバカンスのような夏休暇の詳細である。とりあえず、いつか人生の意味に悩むことがあれば、またあのステーキのお店に行こう。

*1:ちゃんと帽子をふっくらさせてくれているのが優しい

*2:とても良い注意書きだなぁと思って撮った写真

*3:調べたら「ナンヨウクイナ」というらしい